エール学園支部(日本語学校)

日本語教師という仕事 〜いっしょに声をあげましょう

2005年度末、次期契約において従来の専任のうち、ひとりの解雇と数名の降格が予告されたことを知り、数名の有志で組合に加入してから半年。「団交って何?」というレベルからスタートした私たちが、支部を結成することになりました。
 この間、数度の交渉をしながら、日本語教師として働く意味を考えてきました。学校は教育理念を追求する教育組織であると同時に経営体です。また、そこで働く私たちにとっては、生活の糧を得、自分の能力を活用し、生きがいを得る大切な場所です。そして教育の主人公は何より未来を望む学生たちであり、彼らの貴重な学びの場所です。
 それゆえ多くの日本語教師は「学生のために」「学生の日本語が上手になるように」と日々腐心し、よりよい教育環境を求め、それが後退するときには大きなストレスを抱えることになります。また外的には社会・政治・経済変動の影響も引き受けながら、よりよい教育を求めて働かざるをえません。
こうしたわたしたち日本語教師の心の中に広がる様々な波紋をそれぞれのことばであらわし、みんなで受け止め、適切な方法で学校に伝えていく、そんな地道な活動を続けて行きたいと考えています。ぜひ、先生方の心の声をお聞かせください。そして、いっしょに声をあげていきませんか。

エール学園支部 支部代表


 

コロナ禍でもだまってられへん!
今年度前期給与を全額保証
 2020年4月

 留学生が日本語を学び、進学・就職を目指すエール学園では、2020年度前期の給与が全額保証されました。4月から10月までの総授業コマ数(見込み)を計算し、六等分して払い込まれています。過不足が出れば、9月か10月に調整するそうです。

 ただし、オンライン授業に伴う業務の増加は全く反映されていません。また、日本語学校という性質上、4月の新入生も一時帰国中の在校生も入国できておらず、今後もオンラインが解消される見込みは立っていません。4月生は全員オンラインで授業を受けていましたが、10月入学に変更を希望する学生が続出しています(発行済みのビザの効力は通常3カ月ですが、今回入管は年度末まで有効としています)。一方で10月生や21年の4月生の募集状況については、学校から情報がありません。


おしゃれなエール学園支部に学んだ柔軟性と多様性
  〜ewa連続学習会2020第1回報告  2020年11月

2020年11月14日、ewa連続学習会2020「私学・民間のなかまはどうたたかってきたか〜エール学園支部〜」が、本部事務所とウェブをつないで行われました。日本語学校のしくみ、支部のこれまでの歴史と日常の取り組み、組合の存在する意味などについて、意義深い報告がありました。

エール学習会チラシ

<エール学園とは?またコロナ禍の影響は?>

 留学生に日本語を教え、大学・大学院・専門学校などへの進学および就職をめざす日本語学校であるエール学園が、COVID-19にどんな影響を受けているか、はじめに下のようなクイズが出されました。考えて、答えてみて下さい。(答えは複数、最後に掲載)
 また、多様な教員の身分、増える生徒数と不足する教員、生活支援を必要とする生徒も多い、など日本語学校独自の課題が存在することがわかりました。

日本語学校は、COVID-19によって、どのような影響を受けたか、考えてみましょう。

<支部結成以降、一度も雇い止めなし>

 支部が考える、組合が学園にある意味、それは、結成以降、一度も雇い止めがなかったことにある、と言います。しかし、それだけでなく、組合員全員の無期転換が実現したこと、さらには、コロナ禍であっても非常勤教員に4月・5月の生活保障をする観点から給与が支払われたこと、なども、組合があったからこそ、実現できたことです。これらの成果は、エール学園支部が団交・府労委・労基署など多岐にわたる方法によって、長い積み重ねの中で勝ち取って来たものだとわかりました。

 組合の山下顧問からは、結成当初“おしゃれな支部ができたね”と評価する人がいたとおり、時には本部の提案をけって柔軟な発想で方針を立てることもあったこと、現場で日常の問題を解決し無理なら本部の支援、さらには共闘の支援という組み立てが実現できていること、などを評価する発言がありました。特に、団交とは別に、支部と法人が、定期的に、学校の様々な面について提案や意見交換の話し合いの場を持つ、という形は、参加した他の支部からも、大きな関心を集めていました。

<多様性を確保しつつ、民主的な人事制度を目指したい>

一方、労働条件では、社員(職員)と違って、教員は全員、一時金も退職金もない状態であるなど、まだまだ厳しい面があります。今後、支部としては、民主的な学園運営を要求し、同一労働・同一賃金をエールでどのように実現するか、多様な働き方を含む人事制度のあり方を模索する、と抱負を語ってくれました。時間を忘れるほどの、豊富な内容の学習会でした。

<クイズの答え(例)>
1、新入生は、(入学、入国)できない
2、学校は、(授業、生徒募集活動)できない
3、在校生は、(帰国)できない