読売新聞:和歌山南陵高校の教職員の「ストライキ」記事への抗議
5月12日の読売新聞(電子版)に掲載された、
和歌山南陵高校の教職員の「ストライキ」の記事の中に、以下の記載がありました。
「これほど大規模な教職員のストライキは聞いたことがない」。
関西で勤務する教職員が所属する「大阪教育合同労働組合」の関係者は、今回の事態に驚く。
私立学校の教職員は公務員とは異なり、ストライキを行う権利が制約されていない。
ただ、実際にストに至るまでには、団体交渉の要求などの手続きを踏むのが一般的だ。
この関係者は「詳しい経緯はわからないが、
生徒の学びへの配慮がどこまであったのか」と疑問を呈する。
この記事では、ストライキ権行使に対して否定的な書きぶりとなっていますが、
その様な意図は一切ありません。
5月11日に取材を受けた私から、事実経過を報告します。
5月11日の午後、読売新聞の記者を名乗る者から組合事務所に電話があり、
「和歌山の私立高校が教師全員でストライキをしているが、
学校の教員がストライキをしてもいいのか?」という内容の質問があり、
その記者があまりにも憲法の労働三権・労働組合法への理解が乏しかったために、
団結権、団体交渉権、団体行動権のあたりから丁寧に説明しました。
私は、「その学校の経緯についてはよくわからないし、
このストライキが労働組合法に基づくものかもわからないが、
一般的には、ストライキを行う前には、団体交渉をするし、
不当労働行為があれば労働委員会に申し立てしたり、
問題が解決しなければストライキ権を行使することになる。
私たちの組合も私学や、労働組合法が適用された公立の非正規職員も
ストライキ権を行使してきた、職場の労働者が全員参加するストライキは、私自身は経験がない。
学校の現場では、学校のおかれている状況や学生・生徒への影響も十分考慮するだろうが、
この学校の状況はわからないので、その辺は直接この学校の教職員に取材してほしい。」
という趣旨で答えました。
教育現場で働く労働者で組織する教育合同は、ストライキ権を行使する和歌山南陵高校の労働者に敬意を示し連帯します。
大阪教育合同労働組合 執行委員長 増田俊道